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盛岡そぞろ歩き
今回は仙北界わいを散策し、
知られざる歴史と、町の人の温かい心に触れてきました。
◆徳清倉庫◆
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まず最初にやってきたのは、
立派な白壁が目を惹く「徳清倉庫」という場所。
こちらは地域の地主であった佐藤家が、
小作米を貯蔵していた蔵のあとなんだそうです。
およそ築130年という歴史ある建物なんですが、
驚きはこれだけじゃないんです。
実はこの邸宅は、盛岡城の廃城に伴い部材の払い下げを受けた場所。
そのため、盛岡城の勘定奉公所などを移築した建物があるそうです。
つまり、ここ徳清倉庫は
盛岡城の色んな建物を組み合わせてできているんです!
明治20年に移築されてから、
盛岡城はここでひっそり生き続けていたんですね。
さらに、長い歴史の中にはこんなことも・・・
なんと、美智子妃殿下が泊まったお部屋があるそうなんです!
代表の佐藤さんのお母さんが、
大学生のころ同級生だったそうです・・・
最後に、とっておきの部屋があるという事で、
2階にお邪魔させていただくことに。
そこは、風景を楽しんでもらいたいというお部屋なんそうです。
盛岡の景色を眺めることが出来ます。
現在は一般公開していませんが、
いずれ皆さんに見せられるような施設にしていきたいそうです。
その時が来るのが楽しみですね。
今回は本当に驚きの連発で、
まるでお城をお訪ねさせてもらったような気分に。
貴重な歴史の名残を見せていただき、
ありがとうございました!
◆炉何煎◆
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続いては旧奥州街道を散策。
様々なお店が立ち並ぶ中、
とっても雰囲気のいいお店に出会いました。
こちらの「炉何煎」は昭和7年創業の南部せんべい店。
お店の名前、「ろっかせん」と読みます。
南部せんべいの焼釜の「炉」、そして南部せんべいの「煎」、
この2文字の間に「何」を入れようか・・・
ということで、「何」を音読みで「か」と読んで
「炉何煎」と名付けたそうです。
ご主人はこのお店の2代目。
今回はそのこだわりを少しだけ見せていただきました。
こちらのお店ではある程度の食感を保つために、
小麦の胚芽を生地にブレンドしているそうです。
店を継いだ当初、
南部せんべいの新たな展開が必要だと感じた佐々木さん。
そこで、ほかの南部せんべいとは一線を画した商品開発を行い
小麦の胚芽をブレンドすることに成功。
その後も様々なアイデアを生みだし、
炉何煎に新たな風を吹き込み続けています。
伝統を受け継ぎながら、新たな味を探求し続けるお店。
温故知新の技がここにありました。
◆北田屋◆
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続いては街の年輪を探しに仙北町の駅へと向かいました。
ここ仙北町駅は、大正4年、地域住民の声を受けて
原敬が開業したといわれています。
実はこの場所、盛岡駅の建設候補となったところでもあるんです。
そんな仙北町駅と共に、
同じ歴史を歩んできたのが駅前にある「北田屋」。
創業100年を超える老舗です。
大正時代に仙北町駅ができ、人が集まるようになったため、
中ノ橋にあった本店から支店を出すことになり
現在店主の北田さんのお爺さんとお婆さんが
ここ仙北町で初めてそば屋と旅館を開業したそうです。
この歴史あるお店、北田屋には、
およそ半世期にわたり愛され続けているメニューがあります。
それが北田屋の看板メニュー「そば定食」です。
おそばとご飯と煮しめの相性が一番いいというお客さんが多いため、
50年近く変わらず出し続けているそうです。
仙北で愛され続けてきた先代の味を受け継ぎ、
今なお変わらぬ味を作り続けているんです。
◆金沢さん宅◆
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最後に、古き良き仙北を知るため、
北田屋の店主北田さんに教えていただいた場所へ行ってみることに。
そこは、ご自宅が古いまま残っているという金沢さんのお宅。
大通りから1本路地に入ると、
とても歴史のありそうな建物が見えてきました。
ここ、金沢さんのご自宅は昭和6年に建てられました。
実はこの場所は仙北小学校の前身である「仙北尋常小学校」の跡地。
その当時校舎で使われていた材料を利用し、
このご自宅は建てられたそうです。
ご自宅の中には、江戸時代の人形が。
2,3年前まで毎年春に雛人形の一般公開を行っていたそうです。
不定期での開催という事で、
次いつになるのか楽しみです。
また、その他にも貴重な歴史の名残も・・・
こちらは見てすぐわかるような風格がありました。
これは奉安殿といって、その中に天皇陛下皇后陛下の
ご真影が飾られているんです。
1900年初頭、全国の小学校に建ててあったそうですが戦後GHQにより廃止。
現在は残っているものが少なく、とても貴重なんだそうです。
今回仙北を訪れて、
古いものそして皆さん温かい心がある街だと
感じることが出来ました。
知られざる歴史が色濃く残る、盛岡市仙北。
新たな魅力を再発見した、今回のそぞろ歩きでした。