3月(第136回)
概要
岩手朝日テレビの第136回番組審議会が平成22年3月25日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビで開かれた。
合評内容は「ひろみちおにいさんのいわてGO!GO!子育て応援宣言」
- 岩手をベースにして内容も満載で、子育てには他人の力や地域の力が必要だ。
- 子育てサークルの紹介や個人的な紹介の映像だけで本質的には、どんな問題があるのかみえてこない。
- 地域の子育て活動にたいして、病院の問題点や行政のあり方をもう少し取材して欲しかった。
- 司会の「ひろみち おにいさん」の番組内での出番が曖昧で、意味がつかめない。
- お父さんへのインタビューで,「仕事ばかりで子育てを妻に任せっきり」という話が聞けて良かった。
- 官民一体で、何に取り組んでいるのか、何をして欲しいのかもっと議論した方がいい。
- この内容で子育て応援に繋がるか、意味がつかめない。
という意見が出た。
出席委員は、増子義孝委員長、小田島利昭委員、笠川さゆり委員、そのだつくし委員、村田久委員、吉田政司委員の6名。欠席委員は、弭間俊則委員の1名。
議事録
1.開催日時 平成 22年 3月 25日(水)午前 11時~
2.開催場所 IAT本社 3階 会議室
3.委員の出席
委員総数 7名
出席委員数 6名
委員長 増子 義孝
委員 小田島 利昭
委員 笠川 さゆり
委員 そのだ つくし
委員 吉田 政司
委員 村田 久
欠席委員数 1名
委員 弭間 俊則
会社側出席者名
代表取締役社長 富永 健治
編成業務局長兼放送番組審議会事務局長
落合 成範
報道制作部局長 佐々木 貴
報道制作部副部長 鈴木 敦
営業企画部副部長 伊波 伴准
番組審議会事務局 佐藤 清一
4.議 題
(1)番組合評
「ひろみちおにいさんのいわてGO!GO!子育て応援宣言」
(2)3月単発番組について
(3)次回審議会
開 催 日:平成22年4月22日(木)11時~
本社 3階会議室
合評課題:「ラクティマプラス!!」
放送日時:平成22年4月9日(金)午後5時~6時55分
5.概要
◯ 岩手をベースにして内容も満載で、子育てには他人の力や地域の力が必要だ。
◯ 子育てサークルの紹介や個人的な紹介の映像だけで本質的には、どんな問題があるのかみえてこない。
◯ 地域の子育て活動にたいして、病院の問題点や行政のあり方をもう少し取材して欲しかった。
◯ 司会の「ひろみち おにいさん」の番組内での出番が曖昧で、意味がつかめない。
◯ お父さんへのインタビューで,「仕事ばかりで子育てを妻に任せっきり」という話が聞けて良かった。
◯ 官民一体で、何に取り組んでいるのか、何をして欲しいのかもっと議論した方がいい。
◯ この内容で子育て応援に繋がるか、意味がつかめない。
6.議事の内容
落合事務局長
それでは、只今より、第136回岩手朝日テレビ放送番組審議会を始めます。今回から事務局長を努めさせていただきます落合です。本日の合評課題は報道制作局部長の鈴木が担当いたしました番組についてです。立案に関わった立場から直接ご意見をお伺いしたいという事で伊波が出席しております。また今回は常務の辻が所用で欠席いたしております。よろしくお願いいたします。
それでは、増子委員長、議事をお願いいたします。
増子委員長
それでは富永社長、一言お願いします。
富永社長
本日もお忙しい中、お集まり頂きましてありがとうございます。
今期、最後の放送番組審議会で、本年度も先生方には貴重なご意見を頂戴しましてありがとうございました。
来年度の委員の先生方には交代なくこのメンバーでお願いしたいと思っておりますので、来期もどうぞよろしくお願いいたします。
今月11日にデジタル完全移行まで500日。東京では、「ラストスパート500」という会議も開催されました。残る課題、新たな取り組みで議論がありました。
それに関して、アナログが終了するまでにデジタルを送り届けられない地域に、衛星放送でご覧頂けるようになりました。
課題としては、普及率の問題、或いは、高齢者や障害者の家庭、生活保護家庭、また、ビルの陰になり移らない世帯の家庭に受信させるためにどのようにすればよいのかが課題にあげられています。完全移行の決断は最低半年前に決断しなければいけないので、500日というより1年を切った気持ちで取り組んでいく所存です。
またもう一つの課題は、緊急地震速報についてですが、去る3月14日、福島県沖で震度5弱の地震が発生し、3.6秒後、29秒から09分24秒までの55秒間、緊急地震速報を送出しました。スーパーだけではなく警告チャイムも出しました。
盛岡では、送出後、相当の秒数がたってから揺れが来たため、本来40秒ぐらいのところですが、揺れが収まるまで50秒送出しました。私もその時、マンションでテレビを見ていて、暫くしてから揺れを感じされた状況でした。今まで揺れが感じた後で速報がでることが多々ありましたが、初めて有効性を体験いたしました。
最新の携帯電話をお持ちですと、揺れの前に緊急地震速報が流れたようです。
テレビの場合でも、電源が切れた状態であっても強制的に電源を入れて速報を出せる機能が地上デジタル放送には付いているようですが、現在その運用はされていませんが将来的にその運用はされるのではないでしょうか。
本日は「いわてGO!GO!子育て応援宣言」を合評課題にいております。これは岩手県の子育て応援という事で企画コンペがあり、テレビ岩手さんと私どもが制作しております。手前味噌ですがテレビ岩手さんの番組と比較してIATの番組のほうが良かったと思っております。ではよろしくお願いいたします。
増子委員長
ありがとうございました。
ただいまのお話で何かご質問等ございますか?
デジタル化に向けていろいろな問題がありますが、クリアできそうなのですか。
富永社長
技術的には対応できると思いますが、この中で、先ほどお話しました普及率とアンテナの問題が、特に地方よりも東京のマンションのほうが陰に隠れている等の問題で遅れているという事等、その辺りで危惧されているところだと思います。世界各国、デジタル化をしていますが、どの国も延期しています。そんな風にならないように、今お話したような事をクリアしていかなければなりません。
増子委員長
ありがとうございました。では単発番組と視聴率についてお願いいたします。
落合事務局長
4月は、期首という事でレギュラー番組を拡大したスペシャル番組が多い編成になっております。お配りしている資料に番組が記載されています。4月2日放送の「ラクティマプラス!!」については、リニューアル初回放送となっております。次回合評課題としまして4月9日放送分としております。是非ご覧になって貴重なご意見をお願いいたします。
視聴率についてですが、3月のIATは全日で3位、ゴールデンで3位、プライムで3位、プライム2では1位と全部門でIBCさんを上回りました。IBCさんの苦戦もあり、視聴率的には全日で-0.4ポイントと伸び悩みました。17時、18時台の視聴率が課題となっております。
また、4月編成ですが、ゴールデンの19時は23時台のネオバラ枠から「お試しかっ!」が昇格し、水曜日の20時からは池上彰の「学べるニュース」。昨年、レギュラーが終了した、「学べるニュースショー」のリニューアル。また日曜日は、サンデープロジェクトに代わり「サンデーフロントライン」が始まります。ドラマでは「おみやさん」が帰ってまいります。
視聴率的に苦戦しました、IBCさんが19時台をバラエティに変えてきて予断を許さない状況です。4月の3週目が正念場となりそうです。
増子委員
ありがとうございました。ただいまの番組、視聴率について、何かご質問などありますか。
村田委員
テレビ岩手さんが突出していますね。
富永社長
キー局でも、日テレがフジテレビを抜いて視聴率を獲得してきていますので、その辺りもテレビ岩手さんに有利になっているのだと思います。今までフジテレビが断然トップで、日テレが続いていましたが、今年度で言いますと日テレが並びかけています。
増子委員長
そのほか何かございませんか。それでは合評に入ります
吉田委員
全体の位置付けとして、子育てを応援する人をひろみちお兄さんが紹介すると岩手をベースにして考えると中身も満載でした。子育てには他人の力や地域の力が必要だと感じさせられました。横道にそれますが、私も昔は、転勤ばかりでしたから実家の支援は頼れず、家内が小さなコミュニティの中で今回紹介頂いたようなやりとりをしていたのではないかなと思います。改めて考えたり、反省したりしています。
反省とは、他人の力、私は家族の力を十分に発揮できなかったと、遅ればせながら反省しています。
伊勢さんの部分は起承転結の「起」ですが、地域のつながりで子育て、そして本人のがんばりに圧倒されました。非常に好感を持って拝見しました。下山さんは、地域の歴史の中で過去、現在、明日という部分をアーカイブの中は懐かしく思いました。昭和30年代、こんな事が新聞やテレビで紹介されて覚えているという事がございました。季節保育所とかね。
同時に下山さんは地元以外の目線が極めて効果的でした。
男女共同での子育て、男子の子育て参画を支援、職業であり、ボランティア。なりわいと使命感が一体となった良い男の人たちがいたな。と思いました。
せっかくだったので、ひろみちお兄さん、伊勢さん、下山さん、後藤さんのフリートークの場を設けて映っていればもっとよかったと思います。
村田委員
合評しにくい番組だったと思います。子育てをしながら助産師を目指す滝沢の伊勢さん。助産院のない地域、葛巻町に都会から嫁いだ下山さん。久慈市で出産、子育ての中で地元の人たちと触れ合い、「くずまきのしおり」を発刊する。男性の保育士さんたちによる親と子を結びつける活動、シューの年間公演日は24,5回にもよるという。これらの断片的な映像と若い人たちのエネルギーに圧倒され、それぞれ子育てという作業に頑張っているのだな。と思いは残りました。
しかし、子育てサークルの紹介や個人的な紹介の映像だけで本質にはどんな問題があるのか見えてきませんでした。地域の子育て活動に対して、産婦人科病院の問題点や行政のあり方をもう少し突っ込んで取材しても良かったのではないでしょうか。
ひろみちお兄さんの出番が最後まで曖昧で彼が登場した意味をつかめないまま終わってしまったという感じです。何か物足りない不消化で終わってしまいました。
そのだ委員
私も意見が同じです。ひろみちお兄さんは個人的に大好きですが、出番が少ないのが残念でした。一人ひとりにストーリーがあり、スポットを当てて、何か結果を出すまでというストーリー性があったのですが、苦労しているお母さんが多いですね。
私も、産後2週間で仕事していましたが、苦労している事をもう少し詳しく聞きたかったですね。ひろみちお兄さんは実際子育てをしている方なので、アドバイスが欲しかったです。
良かった点は、お父さんのインタビューの場面は良かったと思います。男性保育士連、お父さんのインタビューで、仕事ばかりで子育てを妻にまかせっきりといっていました。そんな話が聞けてよかったと思います。
笠川委員
この場でお話しするには難しい番組でした。
それは、ひろみちお兄さんのいわて子育て……と言う題名で、「ひろみちお兄さんの……」という内容なのかな。と思って見ましたが、違う内容でした。
お兄さんは何のために出演したのか。番審の合評課題として見ると、「協力 岩手県」とありましたが、一般の方があの番組を見て、そう思って見るでしょうか。IATが岩手の子育ての番組をオリジナルで制作した。行政がからむといろいろありますが、一体何が言いたかったのか、わかりませんでした。
自分も同じように子育てを経験しているので、正直言って伊勢さんにしても、下山さんにしても、それがどうしたの?と思いました。伊勢さんにしてみれば出産を機に助産師さんでがんばるのは当然ですし、下山さんが歴史を辿るのもわかりますが、あの地域の方々にとって、一時間半かけて病院にいくというのは当たり前ですし、町に住んでいるから便利というわけでもありません。子育て。「岩手県」という立場で見たのは、お父さんが一時休業でしたか、一時間遅れて出社できるとか、保育園にお迎えに行けるとか、あそこに勤めていれば特別なのだろうな。とか応援している姿をもう少し見たかったと思います。
男性保育士は、お父さんたちに子育てに参加するきっかけで、応援活動なのかな?と思いながら見ていました。
もっともっと取り上げなければいけない現実があると思います。働いているから。資格を持っているから、偉いとかではなく。専業主婦だってがんばっていますし、取り上げ方が根本的に違うようにさえ感じました。
「官民一体で、何に取り組んでいるのか」また、何をして欲しいのか。をディスカッションをしたほうが良いのではないでしょうか。
小田島委員
この番組をどのような人に見て欲しいのか。を考えたときに、多分子育てで悩んでいる人が見るのだろう。という前提だったので、私自身、子育ての時期は卒業していますし、ターゲットではないので、今回の番組は論評しにくいと思いました。私も皆さんから出た意見と同じような感想です。
子育てに関して、うちの奥さんに言わせると、うちは転勤族だったので、母親が1人で3人の子を育てたとよく言われます。父親の私は何も手伝ってくれなかったと。今思えば大変だっただろうな。と思いますね。おじいちゃんやおばあちゃんがいる中での子育てとは違って、核家族であれば父親が仕事でいないと母親1人で子供を育てなくてはいけないですから、今回の番組を見て共感できない部分ありましたね。あのような環境だからできるんじゃないのか、と言う目線で見てしまい、残念に思います。
県の広報と言いますか、取り組みとか案内とかが出ていましたので現実的に悩みを解決するにはもう少し詳しい説明であれば良かったと思いますね。3人のドキュメンタリーは見ている人たちにとってはあまり役には立たなかったんじゃないでしょうか。
ひろみちお兄さんを起用したのはテレビに冠をつけたのかなと思います。遠慮がちの出方でしたので残念ですね。リポーターとして起用するのなら、現実に子育てをしている人にお願いしたほうが、メリハリがついたのではないでしょうか。
丹野さんのナレーションは落ち着きがあってひろみちお兄さんより良かったと思いました。
増子委員長
論評しにくいという声がたくさん出ましたね。この人たちがどうして出てきたのか良くわかりませんでした。
子育ての団体は今各地域にたくさんあり、いろいろな活動をしていますが、その中でこの番組の内容は、見ていてかったるく感じました。番組の流れがいま一つ決まっていないのですよ。
果たしてこの内容で子育て応援にどう繋がるのか、意味がわかりませんね。男性保育士が出ていましたが、お父さんがもっと子育てに協力してほしいと言う要望であのような作りにしたのかはわかりませんが、一人しか出ていなかったしインパクトに欠けますね。ひろみちお兄さんの役割が良くわからず、中途半端に起用するのはよくない事と思いますね。
佐々木報道局長
貴重なご意見ありがとうございます。この番組は県の広報番組であり岩手県に対して均等に見せると言う平板な印象の作品になってしまいました。
ひろみちお兄さんの起用も薄くなってしまって、もう少し事前に東京に出向いてインタビューをとるとか、姿をとるとかの努力をするべきでした。メリハリのつけ方が、今一だったと反省しております。
鈴木報道副部長
ひろみちお兄さんの起用はおっしゃるとおりです。ひろみちお兄さんは今の若い人たちも知っていらっしゃる、NHKの体操のお兄さんを12年続けた意味でいろんな方たちに見ていただきたいと思い、起用いたしました。中身の起用方法はスケジュール、ブッキングもぎりぎりで裏の事情があり、ドキュメントを積み重ねてナビゲートをする方法での出演になり、もう少しひろみちお兄さんのインタビューやいろいろな体験談等を聞くスペースをとるべきだったと反省しております。
富永から先ほど説明もありましたが、この番組は、県の岩手子育て応援情報発信事業で、IATとテレビ岩手が受託したものです。その後に番組を制作するに当たって「子育て放送企画検討委員会」と言う会議で当事者や幼稚園、NPOの方などからご意見を頂戴いたしました。
今回は特番とミニ番組を12月から3月までワンセットになっていたので、特番のエピソードの間に挟んだ内容は子育てナビと言う役立ち情報は身に番組で紹介しております。堅い内容といいますか特番で取り上げましょうと言う事になりました。
堅い部分は、今核家族化で家族の協力が得られない家庭が増えている。子育てで孤立することがあるので1人で孤立する子育てを防ぎたいと付随し男性の保育参加を増やしたいまた、子育ての当事者以外の親世代や社会全体で子育てに参加するという目的が命題でありました。
当初、企画検討委員会で意見が出たのでそれに沿った内容になりました。
内容的には番組のメリハリ等も含め勉強しなくてはいけないと思います。
村田委員
行政がらみの広報番組はいつまでたってもこんな感じですね。
増子委員長
検討委員会は県が作っているのですか。
鈴木報道制作副部長
はい。県の仕様書にあり、委員を集めています。
そのだ委員
アイデアといいますか、岩手県に逆らうようですが、岩手の風習に主婦をされているお父さん、岩手県の反応を見てみたいですね。田舎は意外と大黒柱がお母さんになっているお家が多いので、お父さんだってこんなにできるんだよ。というような企画はいかがでしょうね。
増子委員長
非常に合評しにくい課題でしたね。何か他にございませんか。では次回についてお願いします。
小林事務局長
では次回についてですが、「楽茶間プラス!!」を合評課題にしております。是非ご覧になって貴重なご意見をお願いいたします。
増子委員長
それでは終了します。ありがとうございました。
7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置
ご指摘頂いた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。
8.審議機関の答申または意見の概要の公表
朝日新聞岩手県版4月7日に審議概要を掲載。
系列各局に議事録を送付。
本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。
インターネットホームページに掲載予定。
9.その他の参考事項
特になし
10.配布資料
◎ 4月単発番組編成予定表
◎ 3月岩手地区視聴率