2月(第95回)
概要
岩手朝日テレビの第95回番組審議会が平成18年2月26日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビで開かれた。
合評番組は「楽茶間」。
- 番組全体としてとても好ましい印象がある。ただ、番組で紹介する食材にこだわりすぎて一般の視聴者に調達できないものは、いかがなものか。
- 取材訪問の際コートを着たままは、土地柄余り好ましくない。
- スタジオのセットに季節感がほしい。
- 寄り道マップのイラストが素晴らしく冊子にしてほしい。
- 楽茶間に岩手の自然に対する情報を入れて欲しい。
という意見が出た。
また、議題に入る前に、川崎社長から「放送確認書改ざん」についての経過報告をおこなった。
出席委員は、増子義孝委員長、高橋真裕委員、松本直子委員、松尾正弘委員、宮野裕子委員、村田久委員の6名。欠席委員は、小田島利昭委員、石井三郎委員、笠川さゆり委員の3名。
議事録
1.開催日時
平成 18年 2月 23日(木)午前11時~
2.開催場所
岩手朝日テレビ 3階 会議室
3.委員の出席
委員総数 9名
出席委員数6名
委員長 増子 義孝
委員 高橋 真裕
委員 松本 直子
委員 松尾 正弘
委員 宮野 裕子
委員 村田 久
欠席委員数3名
委員 小田島 利昭
委員 石井 三郎
委員 笠川 さゆり
会社側出席者名
代表取締役社長 川崎 道生
常務取締役営業局長 辻 一成
取締役 小倉 潔
報道制作局長 小椋 和雄
報道制作局次長 大島 具 視
業務推進部 阿部 卓 司
技術局長 佐々木 正樹
番組審議会事務局長 佐藤 清一
4.議題
(1)3月単発番組について
(2)番組合評
「楽茶間」
(3)次回審議会
開 催 日:平成18年3月23日(木)11時~
合評課題:TVイーハトーブ 「土曜のてっぺん」
放送日時:毎週土曜日12時~12時55分
5.概要
*議題に入る前に、川崎社長から「放送確認書改ざん」についての経過報告をおこなった。
*番組全体としてとても好ましい印象がある。ただ、番組で紹介する食材にこだわりすぎて一般の視聴者に調達できないものは、いかがなものか。
*取材訪問の際コートを着たままは、土地柄余り好ましくない。
*スタジオのセットに季節感がほしい。
*寄り道マップのイラストが素晴らしく冊子にしてほしい。
*楽茶間に岩手の自然に対する情報を入れて欲しい。
6.議事の内容
佐藤事務局長
第95回放送番組審議会を始めます。
放送番組審議会に入る前に弊社川崎より、放送確認改ざんについて一言ご報告がございます。
川崎社長
既にご存知の通り、今回は本当に皆さまに多大なるご迷惑とご心配をお掛けしました事を心よりお詫び申し上げます。
先日(2月15日)、県政記者クラブにて、会見を致しました件に関し、概略を説明させていただきます。平成9年の事案なのですが、平素から取引のある広告代理店から当社の営業部員に対しまして、プール金をつくりたいので協力して欲しい旨当社の入社二年目の若い営業部員にあり、本人は事の重要性を認識しないまま、言われたとおり、放送確認書を改ざんして、その広告代理店に提出した。ということを確認する事ができ、ました。
一番気になりますのは、会社が関与していたかどうか。という点ですが、これは一切ありませんでした。会社は二件のスポットコマーシャルに関する発注について、100万円と120万円の2件の発注がきました。しかし、これが90万に減額になった事を受けて、各90万円分のCMを放送いたし、同額を受領しております。これは銀行等の入金などを全て調べ、90万円入金の確認ができています。
問題は、放送確認書についてですが、頼まれた弊社の営業部員がワープロで確認書の部分をワープで改ざんし、100万円と120万円へと相当するような確認書にしてしまった事。放送確認書とは金額を記載するものではございませんが、改ざんした確認書を広告代理店に送付し、広告代理店としての請求書をつけ、広告主に送付した。というのが今回わかった事実でございます。
会社として関与していないとしても、営業部員が改ざんしたという事実は間違いないものであり、全く持って許される事ではございません。
経緯は1月中旬に、平成9年当時IATが放送確認書の改ざんをしていた。という投書が日本広告主協会宛に郵送され、直ちに日本広告業協会、民放連、テレビ朝日や当社にも連絡が入りました。このため、弊社でも直ぐに、調査委員会を設けまして、社内ヒアリング、当時の帳票類等について、連日、あらゆる全てのものを調べて参りました。
事実究明の中で、一番の問題は、当時の事情を知る役員が現在誰一人いなく、それが難しい一面でもありました。しかし、社員の事情確認等調査を続けていく中、2件の改ざんがあった事実を確認いたしました。
こういうあってはならない不正をしてしまった、極めて重要な認識を、社内外に対し検討した結果、どう対応していくべきか。記者発表後、まずは全社員への周知化、次に株主へのお詫び文書送付することとし、実施しました。そして大事な事は信頼の回復が今一番の大事な部分でもあり、さらなる原因究明と再発防止策の確立等について、今大詰めの作業をしているところでございます。
今年は開局10周年という節目の年でもあり、全社員が襟を正し、一から出直すつもりで一生懸命やってゆこうと思っている所存でございます。何卒ご理解戴き、よろしくご支援の程お願い致します。
増子委員長
それでは議題に入ります。まず、3月の番組についてお願いします。
辻常務
それでは、3月の番組についてご説明申し上げます。
単発、視聴率についてご説明申し上げます。
ローカルは、4日土曜日、ジュニアスラローム選手権大会の放送を致します。これは、1月から3月まで八幡平、安比スキー場を会場に第一戦から二戦の模様をダイジェスト版で最終戦をかねて放送いたします。
ワールドベースボールクラッシック日本対韓国戦、日本対ブルワーズの模様を放送いたします。18日、19日21時より2夜連続で「愛と死をみつめて」土曜ワイドの時間と日曜洋画劇場の枠にて放送いたします。
22日から24日3日連続で日中の時間帯ですが、東日本放送、山形テレビ、秋田朝日放送3社がローカルネットを競い合い各局制作の番組の放送を致します。
3月末は、番組改変の期間でもありますのでこれから何が放送されるかが入ってまいります。
視聴率ですが、2月16日から19日は残念ながら、ゴールデン枠は1月に比べ、ダウンしています。2月10日からトリノオリンピックの放送をNHKで放送されていましたので、民放4局全て視聴率がダウンしてしまった状況です。以上です。
増子委員長
それでは「楽茶間」の合評に入ります。
高橋委員
先週土曜日に見た内容についてお話いたします。まず、全体的について説明いたしますと、個人的に言わせて頂きますが、土曜日の午前中というのは、一週間の中で一番ゆっくりできる時間でもあり、気の休まる、そんな中で見させて頂きましたが、大変好ましいと印象を受けました。三つ要素があり、まず一つは、番組に押し付けがましさがなく安心して見ていられる。二つめは番組の中で気の利いた会話があって楽しめる。三つめは得をしたような情報を得られる。全体的な印象として、楽しい番組と評価しています。
個々の内容としては、番組の冒頭で小山さんと矢部さんの軽妙な会話で、落語で言えば、枕詞の部分ですが、番組への導入として非常にうまく入っていますね。たしかトリノオリンピックの話だったような気がしましたが、良かったと思います。
一つだけ注文するとすれば、今回のこだわり亭で地産地消の考えなのでしょうが、「豚のなんこつ」を使った料理でしたが、「こだわり」を「こだわる」というところで、マイナスイメージという風に昔は使われていましたが、他にないところにとことんこだわる、追及していくところで、いつの時点からかプラスのイメージとして転換して現在は使われていますが、今回の食材のイメージをこだわり過ぎて、普通の人が全く入手できないような材料を用いてしまっている。こだわり亭とは手を伸ばせば簡単に手に入る食材を使って口に入れられる事ができる。というコンセプトでつくっているとは思うのですが、少し行き過ぎかな?と残念に思いました。
宮野委員
土曜日の午前中は私の一番好きな時間で9時半から楽茶間が放送され、毎回楽しく見ています。非常に好きな番組です。
矢部さんの笑顔が好きで、番組を見ていますが、前回見た中で、大槌町の放送を見ました。雪の大槌町を生まれて初めて見ました。得した気分になりました。
寄り道マップで一関だったと思いますが、矢部さんが何かを食べるところで地元の人に「美味しいですね。気持ちが和らぎます」といったら地元の方が「あんたの顔見ているほうが気持ちが和らぐ」と言い、自然に出る会話がローカルだな。と非常に楽しく見させていただきました。
こだわり亭の番組の中で、主婦の立場で言わせてもらいますが「豚のなんこつ」を使った料理でしたが、「クリームシチュー」でなんで豚なのか?とへんな考えを持ちました。なんこつならもっと違ったメニューはなかったのか?と思いました。
一つの料理を作るのに岩手県中歩き回り、食材を求めては北に行き、作るのに南へ行き、一ヶ所にいないで場所が変わり、作ることは大変だったでしょうが、見る側としては、この大雪でどこに行くにも大変だったのが、テレビを通していろいろ場面が変わって自分は動かないのに場面が動く。とてもよかったと思います。
最終的に、盛岡市ですが、あれは意図的に何かあるのでしょうか。コマーシャルで毎回同じコマーシャルを流していましたが、あれもインパクトがあって効果がありましたね。
それから、アシスタントの女性はあまり存在感がないですね。座る場所とか変えてやると楽ではないでしょうか。
気になったことが一つあります。矢部さんがお宅へ訪問する際、コートを脱がず、お宅へ訪問は土地柄あまり好ましくないですね。お店ならともかく、普通のご自宅に入る場合は、地域性としてコートは脱いで入られたほうが良いと感じました。
松尾委員
番組が始まった当初から、お気に入りの番組です。
矢部アナの寄り道マップと小山さんのこだわり亭の二本柱で毎回非常に楽しませてもらっています。
県内の人物を紹介する番組として非常に良いと思っています。
2月11日放送だった、「きもののB単」という知識も知らなかった情報で知る事ができ、ためになりました。
先週、確定申告のことを放送していましたが、インターネットでの申告方法ですとか、納得しながら見ることができ、情報もタイムリーでよかったと思います。
寄り道に戻りますが、最後が盛岡ということで、、冷麺か何かでくるかな?と思いながらも、渋い視点をおき非常に良かったです。
一関の情報の時に知っているところが出なくて、知らないところばっかりで少し残念に思いました。知っている、メジャーなところをまた違った角度で紹介することも取り入れたら如何でしょうか。
また、レポーターの女性も、前よりはずっと進歩したのではないでしょうか。
松本委員
全体としては、安心して見られるようになったと思いました。
矢部さんと小山さんが番組に良くなじんでいて、フレッシュさもあり、羊右さんを個人的に好きで、羊右さんの力は大きいと思いました。
画面の文字ですが、2月4日放送したケーキ屋さんの特集で、チョコレートの名前や価格、お店の情報等、そのものの近くにないのでメモしようと思っても、買いたいと思っても、わかりづらかったです。
おまかせチョイスのなかで、愛真館でお料理を食べ、その感想を話す際「……の味がする」。その……の部分が聞き取れず、何を言いたかったのか。お料理を作った方にも失礼ですし、不親切に思いました。
2月11日では、おひなさまと受験の特集をやっていましたが、後ろのセットが、毎回同じセットで、つまらないと感じました。
例えばお雛様のシーズンならお人形を飾るとか、大げさなものではなく、ちょっとしたお雛さま一つで良いのです。季節感が出るような雰囲気にすれば良いのにな。と思いました。一層のこと、毎回一つだけセットを変えてクイズ形式にするのはどうでしょうか。
また、こだわり亭では、岩手県の食材を使ってのお料理ですが、シチューのシーンで湯気が上がっていないんですね。冷めたものを食べているのか、温かいものを食べているのか、見る側はわかりませんよね。湯気もご馳走です。味や匂いは温かささが伝わらなければ死んでしまいます。
それと、寄り道マップで盛岡で放送された方が知り合いでしたが、飛込みできて、時間がないのにこられて困る方も中にはいらっしゃる事と思います。前もって取材に行く旨伝えるべきだと思います。
取材側の都合ではなく、取材される側の身になるべきと思いました。
村田委員
寄り道マップで一関と大槌の放送を見ましたが、正直言って一関は見せるところがない。最近は非常に寂しくなってきていて、取材は大変だったろうと思いました。
商店街も閑散としていて、人もあまり歩っていないし、苦労したでしょう。
地域によってはネタがない町もあるので、アドリブがあっても良いと思います。
放送を見ていて全体的には話題性もあるし良いと思います。
飛び込みの良さもありますが、飛び込みによって起きるマイナス面も気をつけなければなりません。万が一、嫌がる人もいると思う。時間の制約もあるし、その辺難しいところだと思うので、気をつけて取材をするべきだと思います。
小山さんと矢部さんの司会は良いと思います。レポーターも少々まごついても、明るく元気に前向きに、頑張っていると思いました。
2月4日の「あさ開」からの中継の時、気になったんですが、レポーターの女性の服装が、コートにマフラーを室内で付けながらのレポートだったんですね。あれは失礼です。前もってコートは脱いで出演するべきです。室内にいながらコートを着ている。マナーとして、外と中の区別をきちんとつけるべきです。
それと、ランチのデザートを食べ、感想を述べた時に、「滑らかな肌触りですね」と言っていたが、「滑らかな舌触り」でしょう。気がつかなかったかも知れませんが、女性ならではの感覚でしょうか。
こだわり亭で、お肉のブランドで「サスケ」という豚肉を使ったメニューの紹介でしたが、お肉そのものを出すのは良いです。でも、シチューの素材にしては高すぎる商品です。こだわるのは良いと思いますが、我々からすればそこまでこだわれません。お金の高いものは一般的には無理ですよね。
個人的な意見ですが、寄り道マップのイラストが素晴らしいですね。一冊の本にして販売したらどうでしょうか。
この番組は本当に、話題性が絡み合い、その時期その時期にマッチしていて勉強になります。ネタ切れすると無理してしまいます。無理をすると焦ってしまい、かえってマイナス面がでることになるのでその点に注意して、無理をせず、頑張って制作をして欲しいと思います。
増子委員長
2月4日から3本放送を拝見しました。一言で言うと、「この番組おもしろいじゃない」と感じ、知らない地域などがたくさん出てきて、いろいろ発見できる番組だと思いました。
小山さんと矢部さんのコンビ。おもしろいですね。凄いと思いました。矢部さんがバイオリンを弾かせてもらうシーンがありましたね。普通、あのバイオリンは弾かせて欲しいと頼みづらいのにも関わらず、パッとそこへ行って、弾かせて欲しいと頼めるところなんて彼女の凄いところですね。伸び伸びした性格が現れていて、その要素、要素が素敵だね。
彼女が寄り道マップの絵を描いていることは皆さん知っているのでしょうか?性格も、絵心にも出ていますね。
こだわり亭では、大根のことを取り上げていましたね。「青首大根」、「かぶ」といった風に、どんどん調べていくと、いろんな種類があって、発掘されていく。なんてところはとても興味深くて、おもしろかったですね。
それから、どうも、岩手と言えば、代表されるお肉のブランドが「前沢牛」。でも、それはワンパターンですよね。みんなが知っている事だから、そういうのはつまらない。前沢牛ばかり取材するのではなく、「なんこつ」を使ってシチューを作る。あのあたりは、前沢牛に捉われるのではなく、「豚のなんこつ」を使う。良いことだと思います。素材にこだわる所は良いんだけれど、その辺で気軽に手に入る食材を使って料理をするほうが良いんじゃないでしょうか。
アシスタントの女性二人ですが、良い子に思います。しかし若さがあまり出ていない気がします。前面に若さやユニークさをもっと、ぶつけても良いと思います。
気になったのは、服装がテレビにはふさわしくなんじゃないかな。今の若者は玄関を入るとき、コートを脱ぐ事わからないのかも知れませんね。コートを体の一部と思っているのではないでしょうか。
全体的に良い番組だと思いました。盛岡の寄り道マップのところで「まちや」が出ていたけど、あれはとっても良かったですね。あのような場所などを見られるのはとっても良いと感じました。
阿部卓司(楽茶間プロデューサー)
スタッフ複数で担当し、制作しているのですが、コーナー自体、普通に紹介されているもの以外で取り上げていくことを心がけ、制作している番組です。
今回、服装等、いろいろ指摘されていた部分は改善していきたいと思っております。マナーなど、とても大事な部分だと感じました。取材者側としての意識、モラルなどしっかりしていきたいと思います。
テロップなども言われないとわからない。というのがお恥ずかしい部分でもあり、改めてわかりました。
先ほどもお話に出ましたとおり、寄り道マップに毎回出ていた情報等を現在、番組PRそして開局10周年も併せまして、一冊の情報誌として発行しようと、4月から5月にかけて発行するよう計画しております。
高橋委員
「岩手の冬はあったかい」という番組が以前ありましたね。そのようなものも、季節の違いで、また変わった風情も出てくるので季節を変えて放送するのも良いのではないでしょうか。
村田委員
楽茶間に足りないところは、自然に対する情報が少ないところだと思います。北上川沿いの風土とか自然に関して触れていないと思う。北上川沿いに住んでいる人たちの暮らし方、生活の仕方などそういう部分を探るのもおもしろいと思いますよ。自然などは長いスタンスで放送できるし興味深いとおもいます。
増子委員長
ローカル枠の番組で1年後、そして10年後はどうなっているのか。というように、永久に続けてゆくのも使命ではないでしょうか。
佐藤事務局長
次回は3月23日(木)です。
合評番組は「STARLIGHT カシオペアFMの挑戦」です。
増子委員長
それでは終了します。ありがとうございました。
7. 審議機関の答申または改善意見に対してとった措置
特になし
8. 審議機関の答申または意見の概要の公表
朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。
系列各局に議事録を送付。
本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。
インターネットホームページに掲載。
9.その他の参考事項
特になし
10.配布資料
◎ 3月度単発番組編成予定表
◎ 2月岩手地区視聴率
◎ 1月視聴者応答記録