10月(第82回)
概要
岩手朝日テレビの第82回番組審議会が平成16年10月28日(木)、盛岡市盛岡駅西通の岩手朝日テレビ会議室で開かれた。
合評番組は「30人31脚岩手大会」。
- 文句なしに素晴らしい番組であり、何度見ても感動する。30人31脚の番組としては、ほぼ完璧ではないか。
- カメラアングル・カメラワークが去年までの番組と比べ格段によくなった。走行中の約10秒間でも全景とアップを駆使している。単調さをなくした点で評価できる。
- 先生方のコメントを丁寧に拾っている。コメントの内容もよく、教育的な効果もある。
- ナレーションは、きれいで聞きやすかった。実況アナに比べ、抑え気味で好ましかった。実況では、バラエティーに富んだ言葉を駆使し、飽きさせなかった。
- さらに変化をつけるために応援の父母のコメントを事前に収録するとか、走っている子供の画面にマルチ方式で応援の様子を映せばどうか。
- 各地域で出場チームの底辺の拡大を図ったり、何回も参加している先生を他の番組で取り上げたりすれば、さらに大会が盛り上がる。
という意見が出た。
出席委員は、増子 義孝委員長、笠川 さゆり委員、宮野 裕子委員、村田 久委員、大坊 忠委員、松本 直子委員、高橋 真裕委員、松尾 正弘委員の8名。欠席委員は、石井 三郎委員、小田島 利昭委員の2名。
議事録
1.開催日時
平成 16年 10月 28日(木)午前11時~
2.開催場所
岩手朝日テレビ本社 3階会議室
3.委員の出席
委員総数 10名
出席委員数 8名
委員長 増子 義孝
委員 笠川 さゆり
委員 高橋 真裕
委員 大坊 忠
委員 松尾 正弘
委員 松本 直子
委員 宮野 裕子
委員 村田 久
欠席委員数 2名
委員 石井 三郎
委員 小田島 利昭
会社側出席者名
代表取締役社長 川崎 道生
代表取締役専務 村上 昇
取締役営業局長 辻 一成
報道制作局次長 浅田 英利
技術局長 佐々木 正樹
番組審議会事務局長 小倉 潔
4.議題
(1)11月単発番組について
(2)番組合評
「30人31脚岩手大会」
(3)次回の審議会
開催日:
平成16年11月25日(木)
合評課題:
「楽茶間(ラクティマ)」
10月30日開始
毎土曜日 12:55~13:50
5.概要
◎文句なしに素晴らしい番組であり、何度見ても感動する。30人31脚の番組としては、ほぼ完璧ではないか。
◎カメラアングル・カメラワークが去年までの番組と比べ格段によくなった。走行中の約10秒間でも全景とアップを駆使している。単調さをなくした点で評価できる。
◎先生方のコメントを丁寧に拾っている。コメントの内容もよく、教育的な効果もある。
◎ナレーションは、きれいで聞きやすかった。実況アナに比べ、抑え気味で好ましかった。実況では、バラエティーに富んだ言葉を駆使し、飽きさせなかった。
◎さらに変化をつけるために応援の父母のコメントを事前に収録するとか、走っている子供の画面にマルチ方式で応援の様子を映せばどうか。
◎各地域で出場チームの底辺の拡大を図ったり、何回も参加している先生を他の番組で取り上げたりすれば、さらに大会が盛り上がる。
6.議事の内容
小倉事務局長
第82回放送番組審議会を始めます。
増子委員長
それでは川崎さん、一言お願いします。
川崎社長
お忙しい中、ご出席賜りましてありがとうございます。
10月23日の新潟県中越地震の発生以来、新潟テレビ21だけでは対応ができませんので、系列のANN取材団がピーク時で約120名体制で取材にあたっております。テレビ朝日の他、東日本放送・山形テレビ・福島放送・長野・静岡・北陸朝日等々、8局ほどの体制で行っております。余震もありまだ気を抜けない状況です。これが長期化する場合、系列の応援の交代もあり得ますので、当社も人員を出すこともあろうかと思われます。また当社の緊急時の取材体制づくりも早急に確立しなくてはと思い、作業を進めております。
それから民間放送連盟全国大会において、テレビ教養番組部門で当社の「もう一度、風に~車いすのレーサー横澤高徳~」が優秀賞を受賞しました。大変名誉なことでありますし、これをひとつの自信にして更に力を入れて行こうと思っております。
増子委員長
11月の番組についてお願いします。
辻営業局長
ご説明いたします。
11月3日10:30?11:25「ANN報道特番 米大統領大勢判明(仮)」系列24社で対応します。同日19:00?21:54「TEST THE NATION」IQを探る視聴者参加型クイズ番組です。司会は古舘伊知郎さんです。
11月7日「全国大学駅伝」名古屋熱田神宮から伊勢神宮を結ぶ8区間106.8キロのレースを中継します。なお21日に「東京国際女子マラソン」、28日に「全日本大学女子駅伝対校選手権」、12月5日には「福岡マラソン」とロードレースの中継がございます。
11月17日から5夜連続で「開局45周年スペシャルドラマ『弟』」を編成します。
10月視聴率は大変好調に推移しております。詳しくはお手元の資料をご覧下さい。
増子委員長
それでは「30人31脚岩手大会」の合評に入ります。
村田委員
良かった点がいくつかありました。ひとつはカメラアングルが無駄なくスピードアップしていって、リアル感が出ていたこと。それから応援が随分カラフルになっていて面白かった。一番感動したのが各学校の先生の言葉でした。例えば「一つの目的に向かって涙を流したり喜んだりするのは良いことだ、幸せなことだ」という言葉はよく出ましたが、先生方が頑張っている面がよく見えました。ただ、走って記録を出すという競技なので画面が単調になりがちで、自分が興味ある学校はちゃんと見ますが、どうしてもその点で単調になってしまいます。でも今回はカメラアングルで助けられたと感じます。
宮野委員
スーパーJチャンネルで、大会前に参加学校を訪問して意気込みや練習風景を放送しましたね。これは大会を告知する意味でも非常に良い取り組みだと思いました。
カメラアングルが年々向上している、と私も感じました。色々な工夫をしているなということが分かりました。是非これからも続けて欲しいイベントですね。
番組冒頭でルールを説明しますが、初めて見た人にも分かるようにもう少し時間を取って説明しても良いかなと思います。
松本委員
限られた時間で全参加校の子ども達の表情を捉えていたし、先生方のコメントも良いところを拾えて凄いなと思いました。感動も十分に伝わり、まとまり良い番組でした。
女性アナのナレーションで番組が進行しましたが、意識的に盛り上がりを付けない喋り方をしていたのでしょうか。例えば「いよいよ始まります」などは非常に静かなナレーションで本当に「いよいよ」始まるのかなと思いました。あるいは実況の三橋アナとのバランスであのような喋り方をしていたのか、ちょっとメリハリが無かった気がしますが、如何でしょうか。
村田委員からもありましたが、どうしても画面が単調になるのではないか。子どもの走りを映す、応援席の歓声を映すの繰り返しですから、工夫できるのであれば応援の父母のコメントを予め撮っておいて走りの後に流すといった、応援席をただ流すのではなくて、そういった工夫の余地もまだあるのではと思いました。
番組冒頭でのルールの説明はありましたが、例えば競技中に足バンドが外れたシーンの時に、この間は時計は止まるのか動いているのかといった説明を入れるのも、ルール確認の意味でも良いのでは。
松尾委員
30人31脚の番組としてほぼ完璧だと思います。毎年やってますから慣れや余裕も見られました。私もカメラワークが良いと感じました。走行中の約10秒間でも全景とアップの切り替えを駆使しています。ゴール時はマットを押さえるスタッフが衝撃で動く様を映すことにより、視覚的にも凄い勢いで子どもたちが倒れ込むんだな、ということが表現できていました。10秒の間にこれだけのことが出来る、さすがだなと思いました。
今後の課題としては、番組としてはこれ以上ありませんが、地域での底辺の拡大ですね。草の根の広がりとテレビ局側の取り組み、それが課題になると思います。
笠川委員
予選、決勝ともに簡単ですがルール説明がありましたが、参加校にはもっと詳しいルール説明をされてるでしょうから、放送ではあの程度の説明で良いと私は思います。昨年よりも出場校が少ないせいもあってか、昨年の番組の慌ただしさがなく見やすくまとまっていた気がします。応援団の姿も所々映されましたが、きっと子どもたちが走っている最中が一番面白いんだろうなと思うので、走っている映像の隅に応援の様子を映したら面白いでしょうね。
原田アナの声は清々しくきれいで聞きやすかった。三橋アナの勢いある話し方と比較して、逆に抑え気味で非常に好ましく思いました。
全体的に年々、内容も構成も向上しており、良い番組と思える番組づくりになっています。開会式で「小学生の一生懸命なドラマが始まります」というコメントに随分ベタだなと思いましたが、番組を見終わってなるほどな、とても伝わるフレーズだなと思いました。
大坊委員
ビデオで何度見ても感動しました。特に小学生の目的に向かうひたむきな気持ちが画面に表れていますし、「一生懸命から生まれる感動」というコメントに一層感動しました。少しでも多くの人に見て欲しい番組なので、再放送の予定があれば良いなと思います。村田委員が先生方のコメントに感動したとおっしゃいましたが、私もそうです。活字にするとそれほどではないと思いますが、その場面を見ると非常に感動しました。またそれを上手に捉えた番組のつくりも良かったと思います。
高橋委員
私も感動しましたし、素晴らしい番組だと思います。
昨年この番組を合評した時に私は、非常に単調になりがちなので工夫が欲しいとコメントしたのですが、その点で今年は極めて良くなっていた。カメラアングルでカバーされ、更に練習風景や応援の様子、エピソードを盛り込み各チームの特徴をよく描写していた点が、昨年と比べ大きく改善されました。
三橋アナに関しては、昨年私はワンパターンのフレーズが多いと評しましたが、今年はバラエティに富んだ言葉を使っておりました。例えば優勝した高田小学校には「波になれ」と表現したり、様々な言葉を駆使して飽きさせないアナウンスぶりでした。
私が提案したいのは、昨年・今年と同じ先生が参加される学校がありますので、こういった先生を名物先生として、他の番組で取り上げて活用していってはどうでしょうか。
増子委員長
ありがとうございました。私も文句なしに素晴らしい番組だと思います。出場した子どもたちにとって大変な教育的効果があると思います。肉体的に肩を組み合って何日も走り続ける、これは理屈ではない本物の信頼感が得られるから、涙も出るし、教師の良い言葉も出てくるだろうし。今の教育に欠けている何かがこの競技を通して得られると私は感じたのですが。そういう意味で素晴らしい。肩を組んで走った子どもたちは多分、一生仲が良いでしょうし、同級会で集まると一生この話で盛り上がるだろう。今の教育に無い何かがある、だから素晴らしい。ほかに質問等ありましたらどうぞ。
松本委員
競技役員のスターターの方などは本職の方なのですか。
辻営業局長
審判員は全員、岩手県陸上競技協会の方にお願いして、4人体制で担当しています。
宮野委員
今は何でも競わない、平等にすることが教育の現場では当たり前になっていますが、やはり競うことは必要ですよね。
村山委員
それにこの競技は競う内容があるから、質が良いですから。ある面では負けても楽しいという意味がありますね。
増子委員長
これだけ挙って良い番組だと評価できる番組も少ないですね。これからも是非継続して頂きたいと思います。
それでは来月に熊本で開催される系列の番審委員代表者会議へ向けての皆さんのご意見を頂戴します。
松尾委員
八方美人の番組はつまらないですね。7割が酷評しても3割が熱心に見てくれる番組を作って欲しい。批評されても構わないという制作側に意気込みがある番組が残っていくと思います。今回の視聴率を見ても「ロンドンハーツ」のように叩かれても視聴率が良い、残る番組があるんです。この審議会でも以前に叩かれた「TVのチカラ」も案外よい視聴率なので、そのくらいの気概を持って番組制作に臨んで欲しい。
増子委員長
「30人31脚」のようにこぞって良い番組だと批評するのは奇跡的なことですし。
松尾委員
低俗なら低俗を極めるくらいの気概が欲しいということですね。かといって、そういった番組を審議したら叩くと思うのですが。
増子委員長
私は以前に「報道ステーション」を批判したのだけれども、最近は見方を変えて、古舘さんと加藤さんのダブルキャスター、もしくは加藤キャスターも主役の番組と考えると、非常に良い番組に見えてくる。私はキャスターに固定観念があるので、古舘さんにあまり期待せず、そういった目で見ると番組としてちゃんと成り立っていると思います。
村山委員
視聴者も見ているうちに少しずつ慣れては来ましたね。
増子委員長
慣れは確かにありますね。新聞にはよくありますね。
読みなれない他紙に違和感を感じることがありますから。他にご意見をどうぞ。
松本委員
テレビを一番見る世代はおじいちゃん、おばあちゃん世代だと思います。その世代が絶大に支持するような超人気番組が出ればいいなと思います。というのは、うちもそうですがお年寄りが見る番組が無い。スポンサーにとっては旨味が無い層かもしれませんが、番組をきちんと見てくれる年代層ですから。
増子委員長
私もそれに触発されて一言。2007年、それはベビーブーマーが退職し、リタイア人口が爆発的に増加する年です。今おっしゃったように、その層をターゲットにした番組は絶対に必要だと思います。私はもっと時代劇をやって欲しいと思いますが、今60歳を超えた世代とベビーブーマーである彼らとはちょっと違いますね。パソコンは大概出来るし、年寄り扱いはされたくない、微妙なものですね。
今、各局がある番組が当たれば、それに似た番組を作るという競争ばかりやっていますでしょう。そうではない、宝物がどこかに落ちているんじゃないかと思います。そんな宝探しをやってみてはどうか。
辻営業局長
私はまさにそのベビーブーマー、団塊の世代です。委員長のおっしゃる通りだと思います。何かに投資して学ぼうとする、購買力もある、70代とはやはりちょっと違うと思います。そういった人たちは時代劇は求めてないと思いますし、団塊の世代には宝物が確かにあると思います。それが「TVタックル」なのか「サンデープロジェクト」なのか「朝まで生テレビ」なのかも知れません。
高橋委員
去年、日本テレビでの視聴率操作が問題となりましたが、今の社会では法令遵守やコンプライアンスについてかなり神経質になってきている。こういった一端を見ると、テレビ局の信頼、信用の回復が難しい時代になってきている。それから来年4月に施行される個人情報保護法では、非常に細かい分野にまで個人情報を漏洩することが禁止される。
例えば銀行でもお客様情報は沢山ありますが、その情報をどういった目的で使うのかお客様の了解を得なければ、これからはその情報を使えない、という時代に入ってくるのです。これは放送業界でも同様のことが言えると認識しております。
ですから、どうしてもコンプライアンスの問題は避けて通れないことだろうと考えております。やはり、放送業界に携わる人間は、今一度、どういった行動規範でやって行くべきなのか、もう少し考える必要があるのではないでしょうか。是非、日本テレビのようなことを起こさない社内風土を作って頂きたい。
村山委員
ありがとうございます。皆さんの意見をまとめて発言してきたいと思います。
増子委員長
それでは次回の予定をお願いします。
小倉事務局長
次回は11月25日(木)です。
合評番組は今週末、10月30日放送開始の「楽茶間(ラクティマ)」です。弊社でも力を入れている番組ですので、よろしくお願い致します。
増子委員長
それでは終了します。ありがとうございました。
7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置
特になし
8.審議機関の答申または意見の概要の公表
10/30付 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。
系列各局に議事録を送付。
本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。
インターネットホームページに掲載。
9.その他の参考事項
特になし
10.配布資料
◎ 11月度単発番組編成予定表
◎ 10~12月タイムテーブル
◎ 10月岩手地区視聴率
◎ 視聴者応答記録(9月分)