1月(第114回)
概要
岩手朝日テレビの第114回番組審議会が平成20年1月31日(木)、盛岡市盛岡駅前通のホテルメトロポリタンニューウィングで開かれた。
合評内容は 「ふるさとCM大賞 in IWATE 2007」
- 新しい切り口で工夫された作品が多くレベルアップしている
- 審査の透明性として、点数を公表したり審査会の様子を紹介してはどうか
- 司会進行の映画監督山本晋也さんと樋口綾子アナウンサーの進行が素晴しかった
- 帰省される方々のために正月期間の再放送をお願いしたい
- 来年は35全市町村の作品が見れるよう努力してもらいたい
という意見が出た。
出席委員は、増子義孝委員長、稲垣義孝委員、笠川さゆり委員、松尾正弘委員、松本直子委員、宮野裕子委員、村田久委員、吉田政司委員の8名。欠席委員は、小田島利昭委員の1名。
議事録
1.開催日時 平成 20年 1月 31日(木)午後4時~
2.開催場所 ホテルメトロポリタンニューウィング11階 マーキュリー
3.委員の出席
委員総数 9名
出席委員数8名
委員長 増子 義孝
委員 稲垣 義孝
委員 笠川 さゆり
委員 松尾 正弘
委員 松本 直子
委員 宮野 裕子
委員 村田 久
委員 吉田 政司
欠席委員数1名
委員 小田島 利昭
会社側出席者名
代表取締役社長 川崎 道生
常務取締役営業局長 幾度 恭嘉
取締役報道制作局長 小椋 和雄
取締役番組審議会事務局長 横山 博文
技術局長 佐々木 正樹
編成業務局長 小林 直紀
報道制作部長 波岡 功
報道制作部 佐々木 織恵
番組審議会事務局 佐藤 祐介
4.議題
(1)社長あいさつ
(2)前回審議会のご意見を受けて(報告)
(3)2月単発番組及び1月視聴率等について
(4)合評課題について
「ふるさとCM大賞 in IWATE 2007」
(5)次回審議会について
開催日:平成20年2月28日(木)午前11時~
合評課題:「いわてのいのちを考える~地域で守る命~」
放送日:2月2日(土)午後3時~午後3時30分
5.概要
* 新しい切り口で工夫された作品が多くレベルアップしている
* 審査の透明性として、点数を公表したり審査会の様子を紹介してはどうか
* 司会進行の映画監督山本晋也さんと樋口綾子アナウンサーの進行が素晴しかった
* 帰省される方々のために正月期間の再放送をお願いしたい
* 来年は35全市町村の作品が見れるよう努力してもらいたい
6.議事の内容
横山事務局長
只今より第114回放送番組審議会を開催いたします。
増子委員長議事を宜しくお願いいたします。
増子委員長
それでは川崎社長一言お願いします。
川崎社長
新年明けましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いします。
さて、今日で1月も終わり明日から2月を迎えるわけですが、昨年のちょうど今頃は納豆がスーパーから消えるという社会的に大きな影響を及ぼした、番組のねつ造問題が広く報じられていた時期でありました。
あれから約1年が経過し、今度はNHKの記者がインサイダ―株取引という、またしてもあってはならない新たな問題が発覚しました。
このような問題に再び出くわしますと、私ども放送業界に身を置く者としての役割、つまり倫理観の高さは一般の方以上に厳しい立場におかれていることを強く認識し、行動していかなければならないと改めて痛感させられた出来事でありました。
話は変わりますが、昨年末に当社の放送手帳を皆様にお配りし、その中に弊社の理念「岩手の豊かな魅力を発信・地域の発展に貢献します」、そしてビジョン「小振りでも存在感を示せるテレビ局の実現」を掲げた印刷物を折込ませていただいておりましたが、これを空念仏に終わらせることなく、どうすれば活力を引き出し実現できるのかを、現在、編成業務局と報道制作局を中心に協議を行い、何本かの自社制作番組の検討を始めているところであります。今年は、平泉の世界遺産登録が話題の中心になってくることと予想されましが、この話題だけに寄りかかるのではなく、もっと広い目で見渡し、岩手がこの世界遺産登録を期に、いよいよ全国区レベルで認知されるような魅力の発信と、これによる地域発展の貢献策を考えているところであります。
今年も一年、いろいろな意味で引き続きご指導のほど、よろしくお願い致します。
私からは以上です。
増子委員長
ありがとうございました。何かご質問などございますか。
なければ、前回の審議を受けてについて報告をお願いします。
小椋報道局長
前回、30人31脚岩手大会のご審議を頂き、ありがとうございました。
詳しい内容は資料に記載したとおりですが、その中で大変うれしいお知らせがありまして、全国大会に臨んだ胆沢第一小学校が見事第3位の快挙を成し遂げました。
この話題は、地元マスコミの間でも大きく取り上げられ、これにより30人31脚という競技が岩手全体に知れ渡りましたし、先日、県の教育長にDVDをお渡ししたところ、教育長からも「この大会は、チームワークを通じ調和や協調性を学べる良い大会ですね」と感想を頂いております。
この3月、胆沢第一小学校の児童たちが卒業を迎えるわけですが、審議会でご提案がありました「その後の子供達への取材」を現在進めており、内容としましては、大会の思い出、大会を通じて得たこと、そして先輩の活躍を見た後輩の様子などを、特集としてJチャンネル内で放送する予定です。
ご指摘の多かった「参加校を増やす」という課題に対し、これからも努力していきたいと思います。
以上、報告申し上げます。
増子委員長
ありがとうございました。何かご質問などございますか。それでは2月の単発番組等についてお願いします。
小林編成局長
それでは2月の主な単発番組についてご説明いたします。
2日土曜日は、次回の合評課題でもあります、テレビ4局プロジェクト「いわてのいのちを考える、地域で守る命」を放送いたします。また、23日土曜日は、東北6県のふるさとCM大賞作品を集めた、「東北ふるさとCMフェスティバル」の放送を予定しております。
次に1月の視聴率ですが、全日は9.0%で第3位、ゴールデン、プライムは第2位、プライム2は第3位の結果となりました。今年は、お正月期間が視聴率週間ではなかったものの、まずまず検討した結果が出ておりました。
以上です。
増子委員長
ありがとうございました。それでは合評にうつります。
吉田委員
応募された作品の全体的な感想といたしましては、コンテストの趣旨でもあります、ふるさとの魅力溢れる地域情報が自由に表現され、かつ満載で興味を引く作品が多かったと思いました。
また、司会の山本監督も制作者に配慮した的確なコメントを出されておりましたし、また、番組の最後に「来年もお会いしましょう」と、次に繋げるメッセージを残し締めくくっていたところ等、好感を持てる進行だったと思います。
魅力ある地域情報を取り上げるというテーマについて、私が思いついた言葉は「地域密着型テレビ放送」です。このイベントそして番組は、先ほど川崎社長から報告がありました、岩手朝日テレビの理念にも共通するIATの一大行事だと思います。制作サイドの苦労は多いかと察しますが、次回以降も頑張っていただきたいと思います。
次に要望として2点申し上げます。先ず1点目は、この番組は6回目を迎え創成期・黎明期そして成熟期を迎えている時期だと思います。自由に表現する部分を損なわないように、例えばその年の地域の旬な話題や、その年の課題といった様に、テーマ分して作品を募集あるいはジャンル分に審査しては如何でしょうか。制作する側も視聴する側も集中して参加できるのではないでしょうか。
2点目は、審査の透明性です。入賞作品の中でも甲乙つけがたい作品もありましたし、また賞に漏れた作品の中にも印象に残る作品がたくさんありました。
特別賞各賞については審査員に委ねるとして、大賞、金賞、銀賞の審査結果については、点数を公表するとか、皆さんが納得されるような審査の運営方法を考えていただきたいと思います。
以上です。
村田委員
35市町村ある中で、30市町村が参加した今回のCM大賞ですが、50市町村あった中で43市町村が参加した時代と今回を比較した場合、参加数を増やすためにもう少し頑張らないといけないのではないかと感じました。
番組は、司会者の山本監督と樋口アナの二人の調和が取れていて、特にも樋口アナが出しゃばらないところには好感を持ちました。
一つリクエストですが、審査会で委員がデスカッションしている風景を映像で紹介しては如何でしょうか?どのような審査が行なわれているのかを見たい人も中にいると思うのです。審査の基準も明確になり、かつリアル感も伝わってくると思います。
応募作品も年々レベルしてきており、今年は子供の声やお年寄りのナレーションが入っていたり、また風や川などの自然の音も上手く取り入れられ、音響的にも工夫されており、人と人との繋がりが伝わってくる素晴しい作品が多かったと思います。
以上です。
宮野委員
今年特に評価したい点は、制作している現場の様子を紹介していたところですね。裏方の苦労や皆さんが一丸となって取り組む姿がよく伝わってきました。マンネリ化しないよう制作者の工夫がみられたと思います。
先ほど村田さんも話されておりましたが、私も全35市町村の参加を目指しこれからも努力していただきたいと思います。その手段として、市町会や町村会などに働きかけてみてはどうでしょうか。期待しておりますよ。
最後に、今回のCM大賞と、前回審議した「30人31脚」の番組構成がとても似ていたように感じがしました。どちらも昨年とは違う魅力的な番組に仕上がっていました。
以上です。
松尾委員
だいぶ回数を重ねているので、マンネリになるのではないかと心配しながら見ていましたが、今年の作品も新しい切り口や手法が取り入れられており、どの作品も故郷に対する愛情に満ち溢れた素晴らしい作品ばかりで、最後まで面白く見させていただきました。
特にも、銀賞を獲得した宮古市の作品は子供の目線でカメラを回し安らぎと愛情を感じさせる非常に良くできている作品だと感心しました。
また、今年は新たな試みとして、メイキングの映像も紹介する工夫が見られましたし、CMの伝わりにくい部分を事前に予測したのか、それを補足する司会者のコメントや出演者へのインタビューを交えながらの説明部分などは、視聴する側に立った丁寧な作り方だったと思いました。
以前、CM制作に係わっているプロの方とお話する機会があり、その方曰く、「30秒枠に様々なシーンや情報を盛り込もうとすると、焦点がボヤケテしまい印象も薄くなる。いかに余計な部分を切り捨て、伝えたい部分を強調していくのかが難しいところなんです」、と話されておりました。確かに今回の受賞作品は、そういった思いきった切捨てと申しますか、焦点となる部分をきっちり伝えた作品が多かったと感じました。
以上です。
笠川委員
先ずは、樋口アナの貫禄と落ち着、そして山本監督とのコンビネーションが益々よくなってきていると感じました。非常に好印象でした。
制作現場のメイキング映像は、参加市町村の方々が一丸となり、これほど早い時期から企画や制作にとりかかっているんだと、感心させられましたし、また制作者の真剣な表情からこのイベントに対する参加する意義、本気度が伝わり、イベント自体の定着感も伝わりました。
少し気になった点としましては、制作現場の様子が流れていたのは、受賞した市町村がほとんどでしたが、賞を頂いていない市町村の様子も紹介すべきだと思います。受賞発表の際、次第に「あの作品もメイキングが流れていたから、受賞するのかな?」と思っていると、やはり賞に選ばれていて、期待感が次第に薄れてきました。
最後に、今年は昨年より賞の数が増えていましたが、参加する市町村にとっては励みにもなりますし、とても良いことだと思いました。
以上です。
稲垣委員
昨年の番組と比較して見ていましたが、前回は29市町村で今年は30市町村参加と、僅かではありますが制作サイドの努力が見られましたね。
参加市町村も、昨年と同じような作品は避けたい。さて、今年はどんな企画で臨もうか。プレッシャーもあったと思いますが、また新たな発想による作品が多かったと思いました。
前回は、地域を代表する名所旧跡などを紹介する作品が中心でしたが、今回は人物に焦点を合わせて制作された作品が多く、個人的には、人にスポットをあてると場所は何処でもよく、地域の特色を出すのであればやはり地域の名所や風景を入れた作品のほうが、岩手をあまり知らない私のような者にしてみれば、「ふるさとCM」らしい作品になるのではないかと感じました。
また、制作予算の関係からか、今年は写真をつなげてビデオ化する作りが多かったような気もしました。
お金の部分も大変なのでしょうか?
最後に、今回は会場の盛り上がりの雰囲気やイベントを楽しんでいる様子がよくとらえられていましたし、少々メタボぎみなゴエティーも可愛く映っておりました。
以上です。
松本委員
毎回のことながら、山本監督の新鮮なリアクションに感動してしまいました。山本監督の言葉次第で、その場の雰囲気が盛り上がりますし、各市町村の担当者の方々へのお声がけも、来年も参加してみよう、次はどんな作品を作ろうか、という参加意欲を盛り立てるすばらしいコメントでした。
視聴する側の私たち、そして番組を制作する方々は、山本監督のような毎年新鮮な気持ちでこのイベントを見てそして臨んでいるのだろうか。と、ふと感じる時があります。正直、見ていて「しんどい」と感じる作品もありますが、どんな作品に対しても山本監督のコメントは新鮮かつ的をえた優しいお言葉で、安心して見られる番組に仕上がっており、来年は是非会場に足を運び、その雰囲気を味わいたいという気分にさせられました。
一つ要望ですが、この番組は年末に放送し、再放送が2月ということで、できれば、故郷に帰省してくる方々にも見せたい方も沢山いらっしゃること思いますので、再放送は家族が揃う、お正月にもお願いしたいと思います。
以上です。
増子委員長
毎年の事ながら、審査委員の方々のコメントは、制作者に対して分かりやすく、また薬味をきかせた素晴しいコメントを話されておりましたね。さすがはプロですね。
参加作品も、名所旧跡に焦点を当てていたら毎年似たような作品になることを制作側が考え、今年は、ほのぼのと申しますか、ユニークな作品へ挑戦した市町村が増えたような気がします。
しかしこういったユニーク作品はセンスが物をいう訳で 企画構成にも相当苦労されるかと思います。参加を重ねる度に、市町村の方々も企画・制作と、毎年しんどいと感じている部分があるかとは思いますが、こういったことで故郷の良さを再発見したり、後世にその姿を残し、そして伝えていきたいという郷土愛にも繋がる取組だと改めて感じました。
来年も楽しみにしております。
最後に、先ほどから審査の透明性のお話が出ていますが、私も何度か審査員を経験したことがありますが、好みや感情、まわりの雰囲気などにより、なかなか甲乙つけがたい部分もあり難しい作業なんですよ。真面目な方が審査員だと余計難しく考えるわけで、審査の基準の明確化や議論の様子の映像紹介は、私は必ずしも必要なものとは考えておりません。視聴する側としては、地元を応援したい気持ちはありますが、このイベントは年に一度、岩手県の良さを改めて見つめなおす、地域発展に繋がるお祭り的感覚で今後も拝見したいと思います。
以上です。
村田委員
なるほど、審査の透明性を求めるのは、ほんとに難しい部分ですよね。
私は、透明性に関しては、あまり求めない方向で結構だと思いますが、リアル感を伝えるため、審査の様子は映像で紹介すべきだと思います。
宮野委員
昨年、私も審査員として参加させていただきましたが、委員長がお話されたように、甲乙つけにくい部分、それを点数化する難しさ。結構頭を悩ませる作業なんですよ。作品も観光を意識したもの、人物にスポットをあてたもの、毎年作品の切り口が変わってきますし、斬新な発想なんだけど伝わる部分が少なかったり、作品自体は新鮮さがないものの上手に構成されていたり、あるいみ自分の中での審査基準をどこに置くか、本当に悩みましたよ。
吉田委員
ホームページで見ましたら、1人、10点の持ち点で採点されているようですが、点数ぐらいは公表してもよろしいのではないでしょうか?
増子委員長
委員の発言を受け、何かございませんか?
報道制作局 佐々木
本日は貴重なご意見をお聞かせいただき、ありがとうございました。
私は、今回初めてふるさとCM大賞を担当させて頂きまして、市町村の方々とやり取りしていく中で、いろいろ苦労して制作しているなぁ。と思う反面、皆さん楽しんで取り組んでいる様子もうかがえました。この制作している様子も伝えたいと考えた時、これまでにはなかったメイキング映像も番組内で紹介したいな?と思いつきました。お蔭様で、メイキング映像は、市町村の方々が撮影していた物が多く、これをお借りし放映させていただきました。たまたま賞に選ばれた市町村の映像が多かったことで、番組構成上うまくはまりすぎて、笠川委員の発言にもありましたが、受賞する予感?をもたれる作りとなってしまいました。
審査の透明性ですが、点数を公開するかしないかは今後検討してみたいと思います。
以上です。
波岡部長
私からも一言申し上げます。
今回、川井村、矢巾町、九戸村、金ケ崎町、野田村が残念ながら参加いただけませんでした。それぞれの市町村ではお祭りの時期などとも重なったり、また私たちの働きかけもまだまだ弱い部分があったかと反省しております。
30人31脚と番組構成が似ているとのご意見がありましたが、実は同じディレクターが担当していりました。さすがは先生方ですね、そこまでよくご覧いただいているんだと驚きました。
「審査の様子を映像で紹介してほしい、また、審査の透明性を検討してほしい」という点に関しましては、点数の公表有無を含め、今後の審査方法や基準なども勉強しながら、次回以降の課題とさせていただきます。
本日は大変ありがとうございました。
増子委員長
その他何かございませんか。
それでは、次回の審議会についてお願いします。
横山事務局長
次回の審議会は2月28日木曜日でございます。
合評課題は「地域で守る命」です。宜しくお願いいたします。
増子委員長
それでは終了します。ありがとうございました。
7.審議機関の答申または改善意見に対してとった措置
ご指摘頂いた点を、今後の番組作りの参考とすることとした。
8.審議機関の答申または意見の概要の公表
2/8 朝日新聞岩手県版に審議概要を掲載。
系列各局に議事録を送付。
本社受付に議事録を常備、閲覧に供す。
インターネットホームページに掲載。
9.その他の参考事項
特になし
10.配布資料
◎ 2月単発番組編成予定表
◎ 1月岩手地区視聴率
◎ 11・12月視聴者応答記録
◎ 前回審議会のご意見を受けて
◎ 次回合評課題参考資料
◎ BPO報告書
◎ 胆沢第一小学校新聞掲載記事